昨日、『劇場版ガールズ&パンツァー』を観ていて気付いたことがあるのでメモしておきます。
劇場で3回(通常、極上爆音、4DX)、Blu-ray版を3回観ただけなので、
常に新しい発見があり、毎回新鮮な気持ちで観られます(「今度こそ大洗は負けてしまう」と毎回思う)。

劇終盤にて

島田愛里寿のセンチュリオンが戦場に介入し、サンダース大附属がバミューダアタックにやられ、
西住姉妹はコンビネーションで決戦に挑む決意をします。

中央広場のセンチュリオンを援護しにきた
M26パーシング2両に対し、西住姉妹は地の利を生かしたコンビネーション戦術で各個撃破、
3対2の不利を覆し、2対1でセンチュリオンに王手をかけました。

昨日までは「西住姉妹はスゲーなー」くらいにしか思ってませんでしたが、
これ、もし援護しに来たパーシングが3両になるだけで
全然結果変わって来ますよね?


もし援護のパーシングが3両だったら

山頂から援護射撃してくるセンチュリオンを気にしながら、
西住姉妹はバミューダアタックと対決しなければならない……

これは超スゴい西住姉妹も絶対勝てない……
だってバミューダアタックつよい、強すぎる……

ちなみにバミューダアタックとは
大学選抜チームの中隊長アズミ、メグミ、ルミの駆るM26パーシングによる
変幻自在のジェットストリームアタックのパクr同時攻撃戦術です。
ただ3両が同時に発砲するのではなく、変態的な機動を行いながら3方向から1両を狙うエグい戦術です。

これ、元々は試合用に生み出した技じゃなくて、島田愛里寿の練習用に生み出されたんじゃないかな?
ただの一騎打ちだとぜんぜん愛里寿ちゃんの練習にならないので、
中隊長が同時攻撃をする練習法が編み出されたのではないだろうか?
(劇中で3対3の戦況が2度あったけど、全て1両ずつ撃破してるので、あくまで1両を相手にする戦術なんだと思う。そして、島田愛里寿以下の能力の戦車乗りは必ず死ぬ。)

ともかくバミューダアタックは強い。
どれくらい強いかって、サンダース大附属のチームをあっという間にバラバラにして 瞬 殺 す る(Whoops!)

TV版の全国大会では初戦敗退しているけど、サンダース大附属は決して弱いチームじゃない(って優花里さんがゆってた)。

性能の良い戦車を沢山持っている。練度も高い。
今回、その中でもさらに精鋭が参加している訳ですよ。

・アリサ
全国大会での盗聴行為のせいでセコイ印象があるけど、そもそもサンダース大附属のフラッグ車を任されている。
カール自走臼砲の存在を確認する前に感づいたり、情報分析と戦況把握が得意な有能な戦車乗り。
・ナオミ
ファイアフライでの狙撃で劇場版でも大活躍(T28重戦車を足止めして撃破へのキラーアシスト)。
プラウダ高校のIS-2、KV-2を序盤で失った大洗女学園チームでは、バミューダアタック遭遇時に最も攻撃力が高い。
・おケイさん
そもそも3軍まであるサンダース大附属高校戦車道部のトップなんですよ弱い訳ないだろ。
全国大会優勝候補の隊長達の中で西住まほと共に中隊長に任命されてるって事は、
指揮官として西住まほと同等の能力があるって事だよ、ミカよりスゲーよ。

でもバミューダアタックは無傷でこの部隊を突破しちゃうんだよ。強いよね。

じゃあ、バミューダアタックを破り、パーシングを2両に減らしたのは誰か?


レオポンさんチーム、カチューシャ、逸見エリカ

ポルシェティーガー(大洗女学園)、T34(プラウダ高校)、ティーガーII(黒森峰女学園)の混成チーム。
この3両のバミューダアタック破りが詰将棋みたいで面白い。

まず、このチーム、非常にクセが強い。
ポルシェティーガーは防御力が高くて簡単にやられないけど、足が遅い(35km/h)
ティーガーIIは1対1でならパーシングを倒せる(遊園地正門での戦い)けど、足が遅い(38km/h)
T34(55km/h)はパーシング(40km/h)に追いつけるけど、1両だとバミューダアタックに勝てない。
各車両の速度はWikipediaより

サンダース大附属の様に正面から対峙した場合、
援護射撃されると厄介なティーガーIIをバミューダアタックで捕殺、
T34をバミューダアタックで一方的に撃破、
残ったポルシェティーガーをバミューダアタックでなぶり殺し、
みたいな感じで全滅だと思うんですよ。
サンダースほどチームワークもないだろうに、どう善戦できるというのか?

しかも、実際は逃げるパーシングを追いかける状態。
絶対に追いつけない追いかけっこ。
殲滅戦だからセンチュリオンとの合流前にバミューダアタックに有利な地形に誘い込まれて各個撃破されるかもしれない。

じゃあどうやって倒したか?

ポルシェティーガーがレギュレーションを逆手にとったチート出力でパーシングに追いつく速度まで加速。
スリップストリームでT34とティーガーIIをパーシングのところまで引っ張る。
これ、車体が大きく電気駆動のポルシェティーガーにしか出来ないんですね。

加速したT34が最後尾のパーシング(ルミ車)に体当たり、足止めする。
これも、ティーガーIIだともしかしてギリギリ追いつけないかもしれないし、
足止め後の追撃にT34が回ると、パーシングを仕留めきれないかもしれない。

そして、動きの止まったパーシングを追いついたティーガーIIで撃破。
結局、ポルシェティーガーは無理な加速のため故障して行動不能、
ティーガーIIは残ったパーシングに囲まれ撃破され、
T34も孤軍奮闘虚しく倒された訳ですが、

この戦いでM26パーシングが3両から2両に減った事が、最終的に大洗女学園チームの勝利に繋がった訳で、
この一戦こそ勝負の分かれ目だったのです。

バミューダアタック破りとは、3両で連携して1両の敵を倒す、
正にジェットストリームアタックでした。


カチューシャのT34が王将の前に置かれた金の様に効いている

T34はただ体当たりしただけですが、重戦車ではパーシングに追いつける確率が低く、
逆に軽い戦車だとパーシングを十分に足止め出来ないので(劇中ではチハと89式が2両でパーシング1両の動きを止めてた)、
T34の様な中戦車でパーシングに追いついて体当たりできるのはあの時点でT34のみ。
大洗女学園の他の車両が全て残っていたとしてもパンターGかヘッツァーくらいしか代われないんですね。

正に序盤の撤退戦でノンナが予言した通り、
カチューシャはこの試合に必要な駒だったのです。
(やっぱりノンナはスゲーよ)

そして、西住まほに「崇拝と信頼は違う」と批判されたノンナが真の意味でもカチューシャを信頼していた事が、
カチューシャの活躍によって証明されたのです。

すごい!ノンカチュつよい!さすが前年度優勝チーム!
劇序盤のエキシビジョン戦でもカチューシャは絶妙な自己犠牲戦術で勝利に貢献してるんですね。

もしかしたら、カチューシャが中隊長ではなく副隊長を任されたのは、
最後に一緒に戦う事は出来ない、けど勝利に貢献してくれるはずだと、
みぽりんが直感的に思ったからかもしれません。


カチューシャが仲間とバミューダアタックを破るのはたった数十秒のシーンなんですけど、
そのシーンを語るのにこれだけの言葉が必要なので、やっぱり

ガ ル パ ン は い い ぞ


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